デジタル決済の台頭と政府のキャッシュレス化推進により、インドネシアは注目の市場となっています。世界で4番目に人口の多いこの国には、この地域の決済分野のプレーヤーにとって特有の課題とビジネスチャンスがあります。
インドネシアの人口2億7,400万人は、いまだに現金主義です。紙幣が主な支払い手段で、クレジットカード、銀行振り込み、d電子マネーがそれに続きます。国民の66%が銀行口座を所有しておらず、77%が低額の取引でPOSでの購入時にまだ現金で支払っています。
しかし、インドネシアは、世界で最も急速にデジタル変革が進んでいる国の一つです。政府が現金への依存度を下げるためにデジタル決済を推進し、スマートフォンやインターネットの利用が飛躍的に増加したことで導入が進みました。パンデミックもこの分野に大きな影響を与え、インドネシアを筆頭に東南アジアで近年7000万人のオンライン消費者が増えたことに反映されています。
インドネシアでは、2つの大きな流れがキャッシュレス化に向けて動き出しています。1つ目は、スマートフォンの保有台数です。2017年の1億1700万台から2021年には1億9900万台全人口の約72%に急増しています。2つ目は、同国におけるフィンテックの発展です。フェンテック企業の成長とイノベーションのために、インドネシア中央銀行が即時決済インフラである「インドネシア決済システム ブループリント2025」を設立しました。2021年後半の時点で、インドネシアには785社のフィンテック企業が存在し世界のランキング17位に位置します。
インドネシアで高まる決済の複雑化
インドネシアには、大きな可能性を秘めた魅力的な店舗内決済の環境があります。人口の中央年齢が29.7歳であることから、フィンテックやソフトウェア企業はすでに革新的な決済ソリューションを提供し、デジタル世界の受け入れに熱心な若い消費者を取り込もうとしています。例えば、国内では、カバー率が低くても、将来に備えて5Gスマートフォンが急増しています。二大電子ウォレット、GoPayは3800万越えのアクティブユーザー、そしてOVOは月々2080万人ものユーザーを獲得しています。両社は、その地域の著名なライドヘイリング・スーパーアプリのプレーヤーであるGojekとGrabのTokopediaとの協業によって支えられています。
しかし、こうしたデジタル行動の進展は、複雑化する店頭での決済環境に直面する小売企業にとって、現実的な問題を提起しています。加盟店は、現金やカード、モバイルウォレットやQRコードまで、さまざまな決済手段を受け入れる準備が必要です。 QRISそれはインドネシアでの決済を円滑にするための全国共通QRコードです。さらに、異なるプロバイダーからの決済を受け入れることで、加盟店は摩擦のない決済体験に対する顧客の期待に応え、競争力を維持することができます。そして、国内で5Gの普及が完了し、より高度な決済手段や決済と連動したサービスが市場に参入するようになると、これはさらに加速されます。
AndroidはPOSの未来です
AndroidベースのスマートPOSの高い性能と柔軟性により、企業は、インクリメンタルアップグレードや手動でのソフトウェア変更など、専用端末の制限を超えた決済管理を行うことができます。
Android環境は、新しい機能性を設計し、適応させる最新の技術力を備えており、決済端末を変革して加盟店にシームレスな顧客体験を提供することができます。さらに、カメラ、スキャン、NFCなどのハードウェアの機能拡張により、従来の決済手段に加えて、次世代の決済手段、デジタルウォレット、QRコードなどを受け入れることができるようになりました。
銀行や顧客にとって、Android端末は高度な決済エコシステムへの道を開き、ゼロから構築することなく何百万もの既存のアプリにアクセスすることができます。顧客は、加盟店向けに特別に設計された付加価値の高い決済プロバイダーと独自のアプリを開発することもでき、競争上の優位性と顧客維持率の向上を実現します。また、端末よりもアプリが重要な役割を果たすため、1台のスマート端末で複数のデバイスを置き換えることができ、顧客と加盟店の双方にとってコストを削減することができます。
決済の世界では、セキュリティが最も重要であり、Ingenicoにとって、それは私たちのDNAの中にあたるものです。当社のAndroid端末はPCIに準拠しており、最も厳しい決済セキュリティ基準をクリアしています。さらに、「AXIUMプラットフォーム」という 安全な決済を実現する、Android環境のプラットフォームの提供を開始しました。
この高度なレベルの強固さ、柔軟性、セキュリティにより、Ingenicoは、Androidスマートターミナルをよりシームレスにすることで、さらに進化させます。Payments Platform as a Service (PPaas)クラウドベースのプラットフォームは、パートナーを統合されたエコシステムにつなぎ、高度な決済およびコマースサービスを提供することを可能にします。
PPaaSは、加盟店がPOSにおいて、ロイヤリティ・スキームや後払い決済(BNPL)などのサードパーティ・サービスと一緒に決済ソリューションを提供することを可能にします。アクワイアラーにとっては、オムニチャネル商取引と決済エコシステムへのアクセスを加盟店に提供することで、店舗とオンラインのプレーヤー間のギャップを解消することができます。顧客にとっては、店舗での決済体験が単なる取引ではなく、交流の場となり、店舗での決済とデジタル決済の境界線が曖昧になります。
決済端末の総所有コスト
銀行、顧客、加盟店にとって決済端末を所有することは、企業の長期的な資産の一部となります。しかし、決済端末の購入と管理は多額の投資であり、現在の地政学的な情勢や物価上昇の中で事業運営に影響を与える可能性があります。
インドネシア市場において、顧客や加盟店は、ビジネスや業務効率を向上させるために、端末管理に関するいくつかの課題に直面しました。成熟度の異なる複数のサービスプロバイダーに対応するのは手間がかかります。プロバイダーがさまざまなシステムを使用しているため、顧客も多数のデータソースを受け取り、提供されたサービスを統合的に把握することが困難です。サービスプロバイダーとのやり取りは手作業で行われることが多く、遅延が発生し、加盟店の顧客体験に悪影響を与えています。
Terminal as a Service (TaaS) で端末管理の複雑さを解消
Terminal as a Service (TaaS) は、銀行、顧客、加盟店の決済端末を管理するためのエンドツーエンドのソリューションです。これにより、企業は差別化を図り、コストを抑え、最も重要な部分である顧客に焦点を当てることができるようになります。
TaaSは、ビジネスニーズに応じてカスタマイズ可能なハードウェア、ソフトウェア、サービス管理をモジュール化して提供し、端末1台あたりの月額料金を固定化します。
Ingenicoは近年、Forrester社のIngenico によるTaaSの総経済効果レポートを独自に調査しその効果を実証しています。
Forrester社は、Ingenico社のTaaSを利用した経験のある4人の担当者にインタビューを行いました。インジニコのTaaSを利用する前、4人のインタビュー対象者は、自社の端末ソリューションには柔軟性や付加価値が欠けていると指摘しました。コモディティ化した市場において、競合他社との差別化に苦慮していました。そのため、端末を近代化し、業界の専門知識を活用して革新的な取り組みを支援し、加盟店の体験を向上させることができるソリューションが必要でした。
Ingenico の TaaS への投資後、インタビュー対象者の組織は、ハードウェアの資本と端末管理コストを削減しました。各組織は、加盟店体験の向上や付加価値の高いサービスの開発に注力することができたのです。これにより、新たな収益源が生まれ、加盟店のロイヤリティが向上しました。
主な調査結果は以下の通りです:
- 先行投資コストの解消
- 端末管理コストを30%削減
- ベンダーマネジメントの手間を削減
- マーチャントの保有率が10%アップ
- 付加価値サービスによる利益の増加
- 開発リソースを他のプロジェクトに振り向けることができる自由度
- イノベーションの実現
- タイムトゥマーケットの改善
コンソリデーションが次なるフロンティア
現金取引がデジタル決済に移行し、デジタルの導入が加速する中、企業は流動的な決済環境に対応する必要があります。インジェニコは、クラス最高の製品とソリューションのシームレスなネットワークを提供することで、パートナーの皆様がこれを乗り切れるよう支援しています。40年以上の歴史と専門知識、そしてグローバルチームの能力により、インジェニコは信頼できる決済とコマース技術のエコシステムイネーブラーとして、店舗での決済体験を変革しています。
決済革命の頂点に立ち、インドネシアのパートナーとともに新しい決済の世界を形成していくことは、とてもエキサイティングなことです。
Ingenico Indonesiaの製品およびソリューション提供の詳細については、Ingenico Indonesiaのチームまでお問い合わせください: [email protected]