代替案 ― 世界中で使われている決済方法が増加していることを利用して小売業者が稼げるように手助けする。

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PPaaS(ペイメント・プラットフォーム・アズ・ア・サービス)とはどういう意味で、どのように役に立つのでしょうか。

世界中でいわゆる代替決済メソッド(APM)がどんどん増えていて、様々な市場や業界に提供されています。ある報告によれば全部で200ほどあるということですが、400とも、いや900だという報告もあります。正確な数がどれだけであれ、決済メソッドの数が増えているだけではなく、それらが取り込んでいる金額も増えていというのは正しいでしょう。

デジタルウォレットとモバイルウォレットを例にとると、昨年のキャップジェミニの最新ワールド決済レポート2021によれば、約45%の消費者がモバイルウォレットを使用して決済をしています。その前年の調査記録の23%から約2倍になっています。「デジタル決済とモバイルウォレットは例外というより普通のことになるにつれ、決済プロバイダーはスピードと使いやすさについての消費者からの希望に応える方法を見つけなければならなくなりました」とCapgemini社の金融サービスのCEOであるAnirban Boseは言っています。

アプリケーションパフォーマンス管理(APM)の大半は主にオンラインセクターを担っていますが、消費者は、モールに買い物に行っても同じようなスピードと使いやすさを求めます。つまり、オンラインで利用してる同じ決済方法を希望するだろうということです。アメリカのギフトカード会社のブラックホークネットワークによる2021年のレポートによれば、調査の回答者の63%が自分がオンラインで利用しているデジタル決済方法を店舗が受け付けるなら店舗で買い物をする機会が増えると答えています。同じ調査では、73%がオンラインでも店舗でも同じ決済方法でシームレスなオムニチャネルエクスペリエンスを希望すると言っています。

Aletrnative payment methods

「代替」決済とは何ですか?

「代替決済方法」という言葉は時代遅れの名称になってしまいました。元々は現金や主要なクレジットカードやデビットカード以外の決済方法という意味で造られた言葉でしたが、今日ではすこし時代からズレてしまっています。

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例えばアリペイ(Alipay)のユーザーは12億人以上いますので、自分たちが利用している決済方法が「代替」と言われると驚くでしょう。同じことが今モバイルウォレットのMobilePay、Pivo、Vippsの合併で一緒になった北欧の30万の店舗にも言えるでしょう。あなたの代替は私のいつものやり方です、というわけです。

アップルペイ(Apple Pay )が完全に当てはまります。いまではカードよりも浸透している決済方法ですが、まだAPMだと呼ばれます。

恐らくこの「代替」という言葉の問題に気付いたからでしょうが、多くのアクワイアラーや決済サービスプロバイダーは、代わりに「新らしい」決済方法と呼ぶようになっています。従来のカードではないという意味になり、だんだんと使われるようになっています。しかし、長年成功しているアイペイやウィチャットペイ(WeChat Pay)のようなものにはそぐわないですね。

恐らく決済方法の分類については、それがカードやQRコード、ペイ・バイ・バンク、その他のものを意味しようが、あまりこだわらずに考えるのが一番良いのでしょう。どの方法が他のより優れているかとかを考えることなく。皆がそれぞれ必要に応じて選べば・・・です。

QRコードの台頭

パンデミックにより個人のワクチン接種状況を示す方法としてのQRコードの利用が広まりましたが、店舗での決済でのQRコードの利用は、新型コロナで世界が止まってしまう以前に、徐々にですが増えていました。

QR code as a payment method
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中国では特に、このトレンドはずいぶん前に生じていますが、もっと保守的な、カードを使う地域ではQRコードは若い世代の消費者が利用している傾向があります。

同様にパンデミックで加速されたのが、プル決済からプッシュ決済への移行という他のトレンドの登場が部分的に成長を押し上げています。これはこのふたつの方法の違いをみるのには好都合です。クレジットカードやデビットカードを端末で使う場合、店舗はカードからお金をプル(引き出)する感じになります。一方、店舗が携帯電話上のQRコードを読み取る場合、決済を店舗にプッシュ(送りつける)する感じになります。

グローバルな旅行がパンデミック前のレベルに戻り始めているので、アリペイやウィチャットペイを旅行先でも使いたい外国人旅行者に対応できる店舗が明らかに有利でしょう。QRコードの利用が若い世代の消費者の間で広がりつつあり、小売店もこのオプションを提供することに興味を示しています。

 

これら新しい決済方法は市場の囲い込みの新しい方法になっています。カード決済初期には、最初のカードであるダイナースは、ニューヨークのビジネスピープルの市場を囲い込みました。ダイナースを受け付けるレストランはその他のレストランよりもビジネスランチの市場を獲得しました。そして、その特権のためにコミッションを支払っていました。カード決済は長年をかけて開発されたので、発行側で徐々に市場を小分けして別々のセグメントを囲い込むようになりました。しばらくしてカードはほぼ世界中で受け入れられました。

しかし、新しい決済方法は、市場の新しいセグメントに対応するものですが、販売ポイントでの受け付けも必要としました。それは従来困難だったのですが。

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PPaaS はどの点で役立っているのでしょう?

PPaaS は、大がかりな改造やソフトウェアの更新なしにこれを実行できるようにします。

PPaaSが端末にもたらしたシンクライアント技術やプラットフォームの集中型アーキテクチャのおかげで、特定の層、特定の地域、特定のアクワイアラー、または特定の店舗に関するPPaaS ポータルから新しい決済方法を簡単に素早く展開できます。

QRコードについて言えば、消費者はPPaaSでの取引の清算について2つの方法を提示できます。端末に表示されたコードをスキャンするか、自分の携帯電話に表示されたコードを提示し、端末にそれをスキャンさせるかです。そして他の決済方法も同じように簡単に素早くできるようになります。PPaaSは店舗決済用のAPMを各種取り揃えており、デベロッパーは簡単にAPIを介してプラットフォームに接続し、プラグインできるようになっています。

急成長しているAPMの世界で、PPaaSは店内エクスペリエンスに革新をもたらし、消費者により多くの決済オプションを提供し、多くの場合、オンラインでのみ可能なものを店舗でできるようにしました。

 

もしPPaaSについて詳しく知りたい場合やデモをご覧になりたい場合は、弊社にご連絡ください。

Author
oris Ferlet, VP Sales & Marketing, for Terminals, Solutions and Services at Ingenico

Boris Ferlet

VP Channel Development, Ingenico

Boris Ferlet is VP, Channel and Strategic Development within Ingenico TSS. In this role, he holds responsibility for indirect go-to-market development, building and managing mutually beneficial relationships and strategic alliances with Ingenico’s channel partners.

In his most recent roles within Ingenico, Boris had responsibility for Global Accounts and previously headed Marketing & Strategy for the APAC region.

Boris has over 18 years of experience in the electronic payments industry, with responsibilities covering Europe, Asia and North America.

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